読んだ本の感想。
万城目学著。2009年3月1日 第1刷発行。
大阪に密かに存在する「大阪国」が物語の軸になる。
徳川家康によって滅ぼされた豊臣家に同情し、密かに豊臣家(橋場家)の子孫を守護する。大阪国は大阪に居住する男性のみで構成され、父から子に秘密が伝えられる。
会計検査院に所属する松平元(39歳)、鳥居(32歳)、旭・ゲーンズブール(29歳)は大阪での監査で社団法人OJOなる不思議な団体を担当し、大阪国の存在を知る。
明治維新にて新政府に五万両を寄付した事で「大阪国」は存在を秘密裏に認められ、年間5億円の予算を国から交付されていた。松平は予算を不正として追求し、同時期に橋場家の茶子(14歳)が性同一性障害者の友人 真田大輔をいじめるヤクザの息子 蜂須賀勝を倒すためにヤクザの事務所を襲撃し補導されてしまう。
同じ場所にいた鳥居はスーツを汚して中学校のジャージを着ていたために補導されてしまい、それが会計検査院が橋場家の末裔を捕らえたと誤認されてしまう。
大阪国 総理大臣 真田光一は松平と会談し、大阪国を黙認する事で調整する。
今回の騒ぎは旭・ゲーンズブールが、男性のみで構成される大阪国に興味を持ったためで、実は大阪の女性の間では男性の秘密結社の存在が黙認されており、男女双方の阿吽の呼吸で大阪国は維持されていた。
橋場家の末裔と友人であり、大阪国総理大臣の息子、且つ、性同一性障害者である真田大輔は男女両方の秘密を知る唯一の存在となる。
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